はじめて心の底から安いと感じたハイレベルな2000円とんかつとは?

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(この話は年末にFBでも書いたんだけど、なんとなく読み直してみたら自分でもとんかつが食べたくなったので、今度はブログでもアップしてみたという…ww)

 

ずっと思っていた。

ここに来るまでは…

 

旨くても、高かったら意味がないと思う関西人なんで、とんかつ2000円とかいう値付けについては、なんだかなあ、と思っていた。

でも、ひと口で自分の間違いに気づかされた。

 

燕楽は、池上線池上駅すぐにあるとんかつ屋さん。

 

自宅からの最寄駅の一つである五反田から一本なんで、その気になれば、簡単に来れるが、都心と逆方向で、高価なとんかつという二つがネックだった。

でも、せっかく来たのだからと、ランチだけのサービス品ではなく、ロース定食を注文する。時期が時期なのでカキフライも一つ乗せてもらった。

他のお客さん用のサービス品は次々とカウンターに運ばれるが、僕の注文した品だけ、倍くらいの時間をかけて揚げていることがわかる。

ようやく目の前に現れた、その関西人的に高価過ぎるとんかつは意外なほど普通な表情をしている。

 

だが、断面が綺麗な薄桃色に揚げられた真ん中の一切れを持ち上げ、味わおうとしたその瞬間、美味しんぼ、か、味っ子かてくらいに、うぉ〜!これは!!だった。

言い古された、懐かしいという言葉が出てきた。

 

その薫りに。

 

オカンがどんな肉でとんかつを作ってたかは知らんし、洋食屋で食べるカツは基本ビフカツだったから、何がそんな懐かしい気分にさせるのかはよく分からない。使ってる肉も平田牧場の三元豚というから、これまで、それこそアホほど食べた豚肉だ。でも、考えられないほど素晴らしい薫りがしている(これ、まだ味わう前ねw)。

 

ところで、幼稚園くらいの頃によく見ていた図鑑には、バークシャーとヨークシャーしか載っていなかった。そして、白いほうが一般的で黒は高いのもなんとなく理解していた。けど、今となっては、ヨークシャーはランドレースほど大きくならないし、多産でもないから決して安い豚じゃない。

 

で、その頃食べていた豚がヨークシャーかどうかなんて分からないけど、このとんかつの豚には同じ何かがあった。

 

食べてみて感じたのは「手塩にかけて育ててる」感みたいなもので、昔の豚にはそれがあったのかもしれない。肉は黒豚に比べたら水分を感じるけど、しっかり旨味があるし、脂には一片の曇りもない。エサの臭さがまったくないわけだ。

 

でも、平田牧場の三元豚ならほかにもある。他の店との差を生み出すのは、揚げるラードやパン粉などにもあるんだろうけど、ご主人の肉質の見極めがすごいんだろうな、と感じた。「手塩にかけて育てる、ならぬ、揚げている」なのか。

 

小さい頃から、ウスターソースもとんかつソースも嫌いで、お好み焼きでさえ醤油で食べるような人間だから、結局、すべてを塩か醤油だけで食べてしまった。レモンもふっていないが、胃もたれもない。あまりにも満足してしまった。

 

蒲田あたりのとんかつがコスパ的にもベストと思っていたが、そんなことは関係ない。

 

「とんかつ」としては高価だが、凡百のお洒落系パスタランチなどに比べると、お話にもならないくらい高いパフォーマンスを見せてくれた。

 

東京に来てはじめて2000円クラスのとんかつが安いと思えた。

 

素晴らしい料理になっていたし、ちょっとしたタイムマシン代かと思えば、さらに安いもんだ。

まあ、とんかつなんかで、こんなガタガタいうほど、僕も東京生活が長くなったってことかw

あゝ、旨いビフカツ食べたい!!

 

燕楽

 

住所 東京都大田区池上6-1-4

 

電話番号 03-3754-8243

 

営業時間 11:00~14:30 17:00~21:30

 

定休日   月曜日(※但し、月曜日が休日の場合、火曜日休)